こんにちは。今回はおもちゃの一つである変身サイボーグについて、その歴史や特徴、現在の市場価値やコレクションの方法などをご紹介したいと思います。変身サイボーグとは、1970年代にタカラ(現:タカラトミー)から発売された男児向けの着せ替え人形・アクションフィギュアシリーズで、全身が透明でメカが見えるサイボーグの素体に、様々なキャラクターの衣装やパーツを着せ替えて遊ぶことができるという画期的なおもちゃでした。
変身サイボーグの誕生と展開
変身サイボーグは、元々は米国のハズブロ社が1964年から発売していた軍人人形G.I.ジョーを日本で展開するためにタカラが提携した商品でした。タカラはG.I.ジョーをニューG.I.ジョーとしてリニューアルし、軍装だけでなくスポーツウェアや正義の味方シリーズといったバリエーションを加えました。当時の日本はテレビ番組『仮面ライダー』を発端とする空前の「変身ブーム」の真っただ中にあり、正義の味方シリーズはその便乗商品的な位置付けであると同時に、番組に固定しない自由な遊び方が可能な商品として人気が出ました。
1972年からは、より変身に重点をおいた新ブランドとして変身サイボーグが登場しました。変身サイボーグは、ニューG.I.ジョーの素体を全身クリア素材に置き換え、胸と頭部にメッキの機械部品を仕込んだもので、手足を外せる機構を最大限に生かして、手足と換装可能なアタッチメントを用意するなど、サイボーグという特徴を活かしていました。また、変身セット等の衣装は単品販売され、購入後のプレイバリューも高かったです。変身サイボーグは1972年にはおもちゃグランプリ金賞を受賞するなど大ヒット商品となりました。
変身サイボーグはその後も多彩なラインナップを展開しました。例えば、
サイボーグライダー:オートバイ型や飛行機型に組み替えられる乗り物セット。
少年サイボーグ:サイボーグの弟という設定で、より子供らしい顔立ちと小柄な体型の素体。
サイボーグジャガー:サイボーグのペットという設定で、ジャガーの姿から人型や超獣に変身できる素体。
キングワルダー1世:サイボーグの敵という設定で、怪人や宇宙人の姿に変身できる素体。
また、1974年には変身サイボーグの詳細なストーリーが、週刊少年チャンピオンに広告兼用として毎週1ページ連載されました。この物語では、変身サイボーグは自然保護官・片貝健一が宇宙の侵略者・キングワルダー1世の襲撃に合い、父の手によってサイボーグ化した姿という設定でした。この物語は変身サイボーグの設定路線変更後のものであり、発売当初の設定とは大幅に異なっていました。
1975年からは、新たなブランドとしてアンドロイドAが登場しました。アンドロイドAは、変身サイボーグよりも小型で安価な素体に、様々な宇宙人やロボットの衣装やパーツを着せ替えて遊ぶことができるおもちゃでした。アンドロイドAは変身サイボーグと同じ世界観を持ち、キングワルダー1世の部下や仲間という設定でした。
1976年からは、新たなブランドとしてネオ変身サイボーグが登場しました。ネオ変身サイボーグは、変身サイボーグの素体をリニューアルし、よりスタイリッシュでカラフルなデザインにしたもので、様々な色やパターンの素体が発売されました。また、新たな敵キャラクターとしてキングワルダー2世が登場しました。
1977年からは、新たなブランドとして変身サイボーグ99が登場しました。変身サイボーグ99は、当時人気だった特撮番組『鉄人タイガーセブン』や『超人バロム・1』などのキャラクターに変身できるおもちゃでした。また、新たな敵キャラクターとしてキングワルダーJrが登場しました。
変身サイボーグの魅力と価値
変身サイボーグは、自分だけのオリジナルキャラクターを作り出すことができる変身遊びが最大の魅力です。
変身サイボーグは、1970年代の日本の文化や社会を反映した商品であり、その時代を知る貴重な資料でもあります。
変身サイボーグは、現在ではレアな商品であり、高額で取引されることもあります。特に初期の素体や衣装、箱付きのものなどは希少価値が高く、コレクターの間で人気があります。
変身サイボーグに興味を持たれた方は、ぜひ自分で手に入れてみてください。変身サイボーグの世界に魅せられること間違いなしです!
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